Inquiring mind -2nd phase-

【旧blog記事】偲ぶ

2009年10月22日

2009/10/20 23:50


親父が入院中に聴いていた平原綾香のCDを聴きながら、
親父が最後に買った日本酒を開けた。
定年後は日本の居酒屋を巡り歩くことを夢見ていた親父。
その為に新車を買って「これでどこでも行けるぞ」と話す親父に、
「毎日酒を飲むんじゃ車は運転出来ないわね」と突っ込まれて
「そう言われればそうだな」と笑っていた。

3年前に夫婦でゴルフを始めて、週末は山梨まで出掛けてゴルフを
するのが定番だった。
全く上達しなくて母に負けっぱなしだったから、居間で毎日パターの
練習をしていた。
そんな親父を見かねて俺は上達のアドバイスをした。
「上達の仕組みは音楽ゲームもスポーツも違いは無い」と話したら、
真剣に聞いてくれた。
自分の努力を親父はいつも認めてくれていた。

俺と親父は親子というより兄弟に近い関係だった。
共通した考え方を持ち、お互いを認め合っていた。
自分の中にしっかりとした柱を持ち、何事にも動じない親父を
俺は尊敬していた。
「今まで生きてきた中で尊敬できる人間は親父くらいしか
いない」と話した俺に対して「俺なんか本当に小さい人間だよ」と
親父は返した。
家の外での父への周りの評価というのはあまり知らなかったけど、
若い頃は文芸雑誌で賞を取っていたり、絵画でも賞を取っていたと
いう話を伯母から聞いた。
親父はそんなことを一言も話したことが無かった。
謙虚だったのか照れ屋だったのか分からないけど、親父の器の
大きさを知り、尊敬の気持ちは更に高まった。

世間的に見れば残念な息子なのに、俺のやる事に何も口出しせず
ただひたすら見守っていてくれた親父にただただ感謝するばかりです。
全然親孝行できなかったけど、これから俺が家族の柱となって頑張ります。
どうか安らかにお眠りください。

ありがとう さようなら

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